2008年7月5日土曜日

學而(がくじ)第一-九

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曾子曰、愼終追遠、民徳歸厚矣

曽子(そうし)曰く、終(おわり)を慎しみ遠きを追えば、民の徳、厚(あつ)きに帰す。

曾子がいわれた、「[上にたつものが、]親を手厚く葬り祖先をお祭りしていけば、人民の徳も[それに感化されて]厚くなるであろう」
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■人の生の終わりこそ、真心をもって礼を尽くせ。

 大人になればなるほど、親や親類縁者の葬式だけではなく、いろいろな付き合いの人々との永遠の別れに出くわすものだ。人生には儀式が多いものだが、葬式だけは別格と心得よ。
 誕生会や結婚式、歓送迎会、何かの祝賀会など、多くの人生の区切りで、人は友人らと会い、祝い、励まし、明日への糧としてきた。しかし葬式だけは、主人のいない、最後のパーティであり、人間としての感謝の心を表わす最後の場面なのだ。
 それはなにもご遺族の方々に心を伝えるために行くのではない。死者の霊を慰めるためだけでもない。もっとも大切な考えとは「葬式とは、自分自身の人生のタイムリミットを、切に実感するための最高の機会だ」ということにほかならない。
 人は、必ず死ぬ存在なのだ。自分の持ち時間も有限だからこそ、一日一日が大切なのだ。それを教えてもらえるのが葬式と考えよ。人望の篤いビジネスパーソンほど、縁ある人の葬式を大切にする。どんな重要なアポイントメントをキャンセルしてでも、葬式をおろそかにしてはならない。

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