2008年7月2日水曜日

學而(がくじ)第一-五

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子曰、道千乘之國、敬事而信、節用而愛人、使民以時、

子(し)曰(のたま)わく、千乗(せんじょう)の国を道(みちび)くに、事を敬(けい)して信、用を節(せつ)して人を愛し、民(たみ)を使うに時を以(もっ)てす。

先生がいわれた、「諸侯の国を治めるには、事業を慎重にして信頼され、費用を節約して人々をいつくしみ、人民を使役するにも適当な時節にすることだ。」
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■マネジメントの肝(きも)は、「人」と「タイミング」にある。

 企業とは、利益追求のための組織であり、また社会貢献のための存在でもある。そのためにも何より、売上をあげ、利益率を考えなければならない。しかしそのやり方にも「道」がある。まずは、そこには必ず「人」がおり「人が主役である」ということを肝に命じなければならない。ヒラ社員でも、中間管理職でも、ましてや経営者であっても、この基本を忘れてはならない。設備や機械やシステムが利益を叩き出すのではなく、それを管理、運転するのは人なのだ。昨今のように「全員経営」という言葉がもてはやされている現代だからこそ、なおさらそのヒューマンファーストの哲学を徹底しなければならない。
 ところがどうだ。現代の日本経済の再生は、人を切って再生した。正社員を派遣労働者やパートタイマーに変えて息を吹き返したのだ。だからこそ、これからのビジネスパーソンは、これを教訓として、「慎重な事業展開」で「顧客の信頼」を着実に勝ち取り、節約しながらも社員や顧客のためになる仕組みやサービスを創造すべきだ。ましてや社員いじめのような過酷な労働条件で、その力を発揮させようとしてはならない。
 最も重要なのは、世の中の流れや事業の流れをどうつかみ、そこにどう「人」を乗せていくかにある。ここぞ、というタイミングもあるだろうが、時機を視て、人を得て、安定感のある仕事づくりをすべきだ。そうそう「絶好のチャンス」というものは有り得ない。

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